このページでは、法人税の基本的な節税方法について簡単に説明しています。

      決算対策等の参考にしていただければと思います。

 


 

 

《コンテンツ》

在庫の見直し  
短期の前払費用の活用  決算賞与の検討  出張旅費で節税を  交際費について
 
 
少額減価償却資産について 生命保険料を損金で落とす
 

在庫の見直し


 
在庫の評価とは、期末での棚卸資産をどの様に評価するかというものです。在庫には維持保管をするための費用や借入金の金利などさまざまな経費がかかっています。特に長期にわたって滞留している在庫(デッドストック)などは、思い切って処分する事も重要です。もし処分する価格が帳簿価格よりも低ければその差額は除却損として損金に経常することが可能です。廃棄してしまう場合には、写真などに残しておくなど廃棄が確実に行われた事が証明できるようにしておくことが重要です。

 季節商品の売れ残りというだけではなく、破損、型崩れ、たなざらし、品質変化などで通常の方法では販売できないケースも含まれます。ただし、単に物価変動や過剰生産をしたために価格が下落したという場合には、評価損は認められません。

 

短期の前払費用の活用


 前払費用は、税務上「一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了のときにおいてまだ提供を受けていない役務に対応するもの」ということで位置づけられており、経理上 は損金ではなく資産として計上することになっています。しかし、その例外ともいえるのがこの『短期の前払費用』です。

 これは、前払費用ではあるが、支払った日から1年以内に役務(サービス)の提供を受ける分を支払った場合には、  支払った時の損金にしてもいいという取扱いです。

  〈活用事例〉  毎月のリース料が50万円あるとします。3月決算の会社は2月までに11ヶ月分の550万円をリース料として経費にしています。ここで3月にリース契約を年払いに変更して翌12ヶ月分の600万円をリース料としてリース会社に支払います。この場合、その年の決算までに損金にできるリース料は23ヶ月分の1,150万円ということになります。決算に与える影響がいかに大きいかが理解できると思います。リース料の他に、地代家賃や生命保険料などがあります。また毎月末を期日とする支払手形(約束手形)を12枚振り出す形にしておけば、キャッシュフローに影響を与えずに節税することが可能となります。

   〈注意点〉  今後の決算でもこの処理を継続しなければなりません。来期は利益がなさそうなので、また以前の前払費用として資産に計上しようという事は出来ないのでご注意を!!
 

決算賞与の検討

 
決算賞与〉   従業員への賞与は原則として全額を損金にできます。決算賞与を決算までに支給せず、後日支払うことも条件を 満たしていれば可能なのです。従業員のモチベーション向上、かつ節税にもつながる決算賞与ですから是非検討してみてはいかがでしょうか?


〈全額損金とする条件〉  
    1.決算賞与を期末までに各個人へ支給してある場合には特に問題はない。
   2.決算までに支給せず、後日支払われる場合は以下の@〜Bの条件をすべて満たしていなければならない。

         @.その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知していること。

         A.@の通知をした金額を当該通知をしたすべての使用人に対し当該通知をした日の属する事業年度終了
      の日の翌日から1ヶ月以内に支払っていること。

        B.その支給額につき@の通知をした日の属する事業年度において損金経理していること。

出張旅費で節税を》


 
出張旅費などについては、出張時の手当てとして役員や従業員に支給した場合には不相当に高額でなければ通勤費と同じように法人税法上は損金に計上でき、また、受け取った側も所得税が課税されません。できるだけ旅費日当規程などで内規として定め、同業他社と比べて高額すぎない金額であれば、問題になる事はないでしょう。

 社長、部長などの役職ごとに適正な基準を作成し、その内規に従って運営をしていく事がコツといえます。法人の損金性も問題になりますが、もらった側で所得税がかかり、ひいては源泉税の徴収義務の問題にまで発展していきますので、注意が必要です。

また、出張が頻繁にあるからといって、その都度精算をせず、概算を年額や月額で渡し切りにするという様なやり方は、認められませんのでご注意ください。

交際費について

 
〈交際費にしなくてもいい経費〉  

交際費は、会社の資本金によって損金にできる額が決められています。ですから、会社が経理上交際費と計上してしまうと、他の科目で費用計上できるものでも、すべて課税扱いになるおそれがあります。交際費にあたるのか、それとも別の経費になるのか、交際費とその周辺科目に十分注意することで、効果的に節税を図ることができます。

〈社内の忘年会も交際費!?〉      

忘年会の費用が福利厚生費ではなく交際費として課税される場合もあるというと驚かれるかもしれませんが、 税務上、福利厚生費として認められるのはいくつかの条件があります。

        @全員参加で不参加者に金品などの支給がない事。

        A1人あたりの金額が高額でない事。

         例えば、通常の忘年会といえば全員参加の一次会を指していますから、有志が参加する二次会などは交      際費ということになります。

         ★★★交際費と周辺費用の区別は非常に難しいものです。専門家に相談してみましょう!!★★★
 

少額減価償却資産について

     
   〈中小企業の少額減価償却資産の即時償却制度〉    

 法律上、資本金1億円以下の法人を中小企業といいますが、これに該当する会社であれば「期間限定」の特例
で、備品などの取得価格が30万円未満の減価償却資産については、その取得した年度で一括損金できるというものです。中古資産でもOKなので、使い勝手の良い制度といえます。

        〈少額減価償却資産の損金ルール〉        

                @取得価格10万円未満のもの・・・・・・・取得年度において損金にできます。

                A使用可能期間が1年未満のもの・・・・         〃

                B取得価格10万円以上20万円未満のもの・・・・・資産計上のうえ、法定耐用年数で減価償却するこ
         とになりますが、選択により通常の耐用年数ではなく3年間で均等に償却をする方法が認められ
         ています。例えば使用期間が1日しかないような場合(期末日において取得し、直ちに使用開始し
         た場合など)でも、1年分が償却できるというメリットがあります。但し、3年未満で除却をした場合
         でも、直ちに除却損を計上することはできず、3年間で全額を損金処理することになります。

                C20万円以上は、資産計上のうえ、法定耐用年数で減価償却・・・この原則的処理に代えて、中小
         企業に限り取得価額30万円未満のものについては取得年度において損金処理を行うことができま
         す(年間300万円が上限)。但し、この場合固定資産税(償却資産税)が課税されることになります。
         特に10万円以上20万円未満の資産を取得した場合、3年間で均等に償却をする方法を選べば償
         却資産税は課税されないため、敢えて全額を損金処理する方法を取らず、3年均等償却を選択す
         るのも一法です。

 

生命保険料を損金で落とす 》 

  〈法人のリスクと生命保険〉     法人のリスクとは、社長もしくは役員にもし万が一何かあった場合、会社存続や経営危機に陥るような事態が発生することをいいます。会社が継続できない場合、借入金の返済や買掛金の支払、従業員の退職金など多額の資金を用意しなければなりません。特定の場合に多額の資金を用意するという点で利用されているのが「ガン保険」などの生命保険です。

 〈必要保障額の算定方法〉  経営者に万が一のことがあった場合の保障額(必要保障額)については、一定の決められた算式があるわけではあ りませんが、次のような考え方で計算をしてみると参考になるでしょう。

      必要保障額=(人件費・固定費(月額)+借入金返済金(月額))×12ヶ月+一括返済の借入金・営業債務

 これらに経営者の退職金や相続税の納税資金などを加算する場合もありますので、自社の保障額を算定した上で、生命保険の加入を考えるのが良いでしょう。以前は全額損金・高解約返戻率の逓増定期保険が人気商品でしたが、「税の縛り」によって現在ではこの策は使えず、代わりにガン保険+養老生命の組み合わせによる「4分の3損金タイプ」などが福利厚生プランとして人気のようです。